雄大な箱根の風景を取り込む、借景の家「Moby Dick」

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Moby Dick, 平林繁・環境建築研究所 平林繁・環境建築研究所 Nowoczesne domy
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「借景」とは、日本庭園や中国庭園における造園技法のひとつ(wikipedia)とされています。しかし、その借景という技法を、遠く見える山並み、青々とした緑や透き通るような空を住空間へ取り込む知恵として活かしたいものです。開口の工夫によってそれはダイナミックに、時に小さく静かに風景を切り取り、安らぎやリラックスできるものになります。今回ご紹介するのは、真鶴から箱根方面を見渡せる雄大な展望を楽しむ二世帯住宅の家。平林繁・環境建築研究所により、その土地に広がる風景をダイナミックに取り込む住環境の変化が味わえる空間と、素材や質感を大事にした”呼吸する家”が生まれました。

ゆったりと横たわる外観

三層からなる本住宅。眺望を活かすために南から西へと構え、その上には大きな片流れの屋根が掛かります。横長にゆったりと構える風貌は本住宅のネーミングの通りに「Moby Dick」なる、大海に漂う白鯨の姿ようです。そして前面道路から接続するのは二世帯のための二つの門扉。そのまま進めば各々の玄関へアプローチしていきます。密接につながりながら、しっかり分離という互いに程よい距離を持って生活することが可能です。

パノラマ写真のような眺望

山並みが美しく切り取られた開口。パノラマのように山上から山裾までを一望するその景色は爽快感さえ覚えます。本住宅のメインともいえるこの眺望は、住まう人がゆったり味わうことが出来る最高のスペースとなりました。程よい高さの開口や手すりなど、景色を堪能するために作られたフレームです。内装仕上げには珪藻土の塗り壁に無垢の天井板貼り、化粧タイルなど見た目にも触感にも生活を気持ちよくしてくれる素材がふんだんに使われています。

ダイニングとテラスの繋がり

ダイニングの開口を開け放てばテラスまで伸びる大空間へ。そこは心が弾むような広がりと心地よい空気を感じることが出来ます。もちろん家族がそろってバーベキューを楽しむことも可能でしょう。青々とした植栽や街並みも臨める開放的なテラスはそのまま山上へ飛んで行けそうな気分にもさせてくれるのではないでしょうか。

明るく開放的なキッチン

木目の気持ちいいキッチンスペース。大開口から続くそのキッチンは上部にはトップライトが覗き、日の移ろいを感じることのできる、温もりある空間です。対面式キッチンはもちろん家事をしながら家族とのコミュニケーションが楽しめる重要なアイテムでもあります。料理をしながら、その開口から望む景色に四季を感じて食事に旬のものを取り入れてみる、そんな意識を生むきっかけにもなるかもしれません。

夕景のパノラマ

夕暮れ時、しっとりとした夕景を臨むダイニングキッチン。キッチンエリアからもダイレクトに接続するデッキはとっても便利ですよね。ちょっとした濡れ布巾を干したり、プランターに香草を植えて育ててみたり。キッチンに立つ人には嬉しい動線です。そして、室内を丁寧に照らしてくれる照明は空間全体を温かい雰囲気に。夏の暑い夜に開け放った窓から臨む夜景と、室内を抜ける風は一日の疲れも取り去ってくれるように、ゆったりと休むことが出来そうです。

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