homify360°:陰影に富む、豊かな暮らしの器「富里の家」

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House in Tomisato|富里の家, 山田誠一建築設計事務所 山田誠一建築設計事務所 Klasyczne domy
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陰影とは、うす暗い影の事をさす言葉ですが、転じて平たんではなく「深み」のあることとも解釈されます。それは影の濃淡によって表情豊かな表現となるように、装飾によるものではなく単体の持つ特徴を引き出す、豊富に表現するという事だと思います。例えば「陰影に富んだ空間」とは、空間を構成する限られた素材や一定の寸法、自然環境によって作られるのでしょう。今回は、静岡県の郊外にある「富里の家」。こちらは山田誠一建築設計事務所が考える”光の中に、闇をつくりだすこと。そして、その闇の内に、在るべき光をみいだすこと”。本住宅は陰影に富む、単純で豊かな暮らしの器として建てられました。

風景に溶け込む外観

主屋の脇に建つ、若い夫婦のための小さな本住宅外観。目を引くのは稲刈りの後の藁のような明るい茶色の木目が映える、シンプルな真四角に近い住宅ファサードです。新しいけど単純な風貌に、近隣とは一味違うけれど素材や木目が生き生きとした外装は時間と共にその土地へ違和感なく溶け込んでいくでしょう。

外とつながるバスルーム

室の一面を開口としたバスルームは明るく、扉を解放すれば庭につながり外部と連続する空間です。水廻りを主に一階の床材の半分が床石仕上げという本住宅は、冬場は地中蓄熱式輻射床暖房システムによって家全体の温度調節が可能です。大谷石と芦野石のネムリ目地仕上げは一階床をスッキリとした清潔感ある印象へ。

板の間と風景

黒塗装の板間とエッジの効いた開口や接合部は、簡素で落ち着きのある雰囲気を醸し出しています。吹き抜けまで続く砂漆喰の壁肌は存分に質感を楽しむことが出来ます。正面にある開口は三段階機能を持った窓枠で、室内への光や風を調整し快適に保ってくれます。ちょうど全開に開け放たれた状態の開口は、ダイレクトに吹き込む気持ちの良い風と温かい日光を楽しむことが出来ます。

静寂のあるデスクコーナー

デスク上のランプが存在感をもつ、二階デスクコーナー。一階と同様に木目と漆喰仕上げに統一された主張のない住空間は一時の風潮に流されることなく、いつも変わらないという安心感と安定感を感じます。それは今後も長く住み手が飽きることはないでしょう。吹き抜けから上ってくる心地よい風や居間とダイニングからの連続した空間は、やんわりと自然や人との繋がりを感じる事ができるでしょう。

光と陰影の居間とダイニング

日中、照明を落とした住宅の居間とダイニングスペースでは、静寂さと簡素なイメージを抱きます。しかしこれは限られた素材と光の造る影を丁寧に室へ取り込み、ただ明るいだけではない、空間の本質を感じさせてくれる演出があっての事です。開口部のディテールや砂漆喰塗りで統一された壁、オリジナル家具を製作することで陰影をコントロールし、空間に豊かな表情を持たせることが可能です。人が生活の中で時間を多く使う場所には、簡素だけれど素材が活され、本質が鮮明な空間が望まれるのではないでしょうか。

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