リノベーションで長屋2棟を繋げて完成させた二世帯住宅

Michiko JUTO Michiko JUTO
阿倍野の長屋〈renovation〉-5段の距離がいい-, 一級建築士事務所アトリエm 一級建築士事務所アトリエm Nowoczesny salon Drewno O efekcie drewna
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長屋のリノベーションがコンクールで優勝を果たしたATELIER Mが手がけたもう一つのプロジェクトを紹介したいと思います。今回は長屋の中央部分の2棟を二世帯住宅にリノベーションするという難易度の高いプロジェクトです。クライアントと設計者が密な意思疎通を図りながら共に作り上げた家をたっぷりの写真と一緒に見ていきましょう。

after: 表情のあるファサード

外観からは元々長屋だとは想像がつきませんね。リノベーションによって2棟の建物を1つにまとめた 堂々とした佇まいの二世帯住宅です。

before: ファサード

白いファサード2軒が今回紹介した住宅です。

after: 慣れ親しんだ地域に住み続けること

なんでもそうですが住宅ももちろん月日が経つにつれて劣化していくのは当然で、長く住み続けていくためにはメンテナンスや改良が必要です。リノベーションという方法で住環境を刷新しつつ馴染みのある地域に根ざしていく生活スタイルを選択するというのはやはりコミュニティに恵まれていることの表れとも言えるのではないでしょうか?

after: 寄り付きのある住宅

今どき珍しい寄り付きを一般住宅に取り入れています。ゆとりある玄関ポーチは住む人はもちろん街に対してもリラックスした印象を与えます。アイアン製の程よい格子からなる門はモダンなデザインでありながら防犯対策にもなりますね。

after: 程よい距離感を家族の間もキープ

玄関を入り、中二階あたりにお母様のお部屋があります。子世帯と程よい距離感を保ちつつ決して孤独にはならない愛情のこもった計画がされています。こういった配慮や距離感というのは二世帯住宅において必ず考慮しなければならない項目です。問題も起こりがちな同居生活ですが、裏を返せば各家族が大半の今の世の中、大家族という形態でしか経験できない長所もあるのではないでしょうか。

before: 階段

階段も急で危なっかしいですね。ベニヤ板張りの壁が古くささを感じさせます。

after: アクティブな住人にはもってこいのボルダリング

既存の界壁にボルダリングを施し、活発に動き回る育ち盛りのお子さんたちにはもってこいのツールですね。典型的なカラフルな配色は避け、リビングと調和するようにグレーで仕上げています。

before: 居間

昭和独特のお茶の間も薄暗くて寒々としています。

after: リビングと繋がる子どもの空間

リビングからはロフトのある子どもの遊び場に緩やかに繋がっています。家族みんなの生活空間であるリビングのほうまでおもちゃが散らからず、同時に上で遊んでいるこどもたちの様子もわかるというこの設計、小さなお子さんのいる方は是非参考にしてください!既存の界壁適度にくり抜いて開口を設け、空間に連続性を持たせています。リノベーションの際に既存の要素を残すのも時間を繋げる意味で重要な役割を果たすことがあります。

after: ロフトの使い方

ロフトは子ども専用の空間です。リビングと繋がる開口によって天井高を感じさせない広々とした空間です。屋根の勾配が空間に変化をもたらしています。シンプルな空間構成にブラックの手摺がクールな印象を与えます。

after: キッチンとダイニングをセミオープンにすることで生まれる対話

親子3代で囲む食卓はきっと毎日賑やかなのでは?キッチンとダイニング間に設けた木製のカウンターごしに調理をしながらでも会話がはずみそうですね。このカウンターのおかげで配膳を楽にするだけでなく、何かと増えがちな食器やその他の生活用品をたっぷりと収納できる機能性も持ち合わせています。また天井を剥がし、小屋組を見せることで開放的な空間に変わりました。

after: 光を届けるアクリルの床

キッチンの奥には洗面所が配置されました。キッチンのカウンターやフローリングと色調を合わせ、洗面所の家具がコーディネートされています。北欧風のテイストでまとめられたシンプルでモダンなインテリアです。テラスへのガラス戸の手前の床に設けられたアクリル板は下階に光を送り届ける役目をします。

after: 減築という方法

天井まであるガラス戸を開けると減築によって生まれたテラスと繋がり、さらに開放的なリビング空間になります。これで採光と換気が十分確保できます。またこのテラスは屋上へのアクセスでもあります。

after: 気持ちの良い洗濯干場

クライアントのお母様が希望された屋上の洗濯干場です。十分な広さを確保し、二世帯家族全員の洗濯物が一気に干せる機能的かつ気持ちの良い外空間です。透明の波板シートで屋根を設置してあるので、多少の雨の日でも洗濯物が干せて非常に便利なアイデアですね。

before: 物干し場

以前の住宅にも物干し場があったようです。段差などがあって使い勝手が悪そうですね。

after: 光の井戸

1階から上を見上げたところです。明かり取りのためのアクリル板が設置されています。密集した住宅地では採光や換気の確保に頭を悩ませることがありますが、こういったアイデアであっという間に解消することもできます。

before: 玄関

以前は薄暗い玄関先でした。

after: 家族が幸せになれる家づくり

住み慣れた地域に親子3代で住み続ける、そんなライフスタイルをリノベーションによって実現したした二世帯住宅です。様々な要望やアイデアをクライアントと建築家が共に検討し、ディテールを決定していったプロジェクトです。打ち合わせではいつも笑いが耐えなかったということですが、それが理想的な家作りと言えるのではないでしょうか?

リノベーションについては、こちらの記事でも紹介しています。

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