今回ご紹介するのは、子供夫婦が高齢である母と一緒に住む為に、母屋の改築と、離れを増築した住まいです。株式会社一級建築士事務所ジオプラスが手掛けたこちらの住まいでは、家族の集まるLDK空間を既存の母屋から増築された離れへと移し、母屋は家族がそれぞれプライベートな時間を過ごす場所として改築されました。離れは、家族の団欒という目的に沿って、正方形の平面を持つ魅力的な大空間となっています。では詳しく見て行きましょう。
向かって左側の2階建ての母屋は改築された部分で、二世帯の家族の各部屋が配置されています。右の平屋の離れは増築された部分で、家族全員が集まるLDK空間が内包されています。外観は既存の母屋に合わせて、純和風、落ち着いた雰囲気にまとめられています。
中心のリビングダイニングを囲うように、キッチン、畳コーナー、オーディオコーナーが配置されています。こちらはそのひとつである畳コーナーの様子です。家族がほかの家族の気配を感じながらも、思い思いにリラックスした時間を過ごすことができるよう工夫されています。
この一角には屋根の始まる高さまで造り付けの本棚が設けられ、家族全員が利用できるようになっています。造り付けの本棚は、スペースの有効活用になるのはもちろんのこと、見せる収納として、空間の雰囲気づくりにも一役買っています。
子供夫婦の趣味である大量のレコードやCDと音楽再生機器を設置したオーディオコーナー。このように所有の機器に合わせた大きさで壁にニッチをもうけて収納、ディスプレイすれば、全てをすっきりスマートに納めることができます。
広いオープンスペースは魅力的ですが、大きな空間全体的に明るく保つためには採光に工夫が必要となってきます。こちらの離れでは、中心天井に二面のハイサイドライトが設けられています。これによって部屋の中心まで光が行き届き、明るい大空間が実現しました。
母屋にある洗面室は、二世帯で使用される空間。従来ひとつしかなかった洗面器を増やすことで、家族がゆったりと使うことができるようになりました。洗面室、浴室ともに落ち着いた色味でまとめられ、温かみのあるリラックスできる空間となっています。また夫婦の高齢の母のことも考慮し、バリアフリー化がされています。